🏁はじめに:「新作が出たから買い替える」は危険です
テニスラケットは、毎年のように各メーカーから新作モデルが登場します。
SNSやショップで目にすると、「そろそろうちの子にも新しいラケットを…」と思いますよね。
でも、ちょっと待ってください。
ジュニアプレーヤーのうちは、旧作(型落ちモデル)でも十分。
むしろ、旧作のほうが「扱いやすく、上達しやすい」ケースが多いのです。
この記事では、実際の使用感、経済的な視点も交えて、「ジュニアは旧作で十分」な理由を
徹底的に解説します。
簡単なプロフィール
私:40代男性(テニス歴:28年)
好きなテニスラケット:プリンスグラファイト
今までほぼグラファイトシリーズを使用しています🎾
プレースタイル:ストローカー(グリグリスピン)、ボレー下手(笑)、
サーブは得意ですが、年々衰えを感じています。
好きなテニス選手:マイケルチャン、セルジブルゲラ
子供:長男(9歳小4)、次男(5歳年長)
二人ともテニススクールに週1で通っています。
子供達はテニス大好きで楽しんでいます。
🧠1. 新作と旧作の“差”を正しく理解しよう
まず前提として、新作と旧作の違いは「設計思想」と「素材の進化」による微差です。
メーカーの説明を見ると、
「スイートスポット5%拡大」「振動吸収性が向上」
といった表現が並びますが、これは上級者・プロレベルで感じ取れる変化であることが多いです。
🔍実際の進化ポイント(例:YONEX EZONEシリーズ)
| 改良項目 | 内容 | 体感しやすい層 | 
|---|---|---|
| 素材(2G-NAMD等) | 打球時のしなりと戻りを強化 | スイングスピードが速い上級者 | 
| フレーム断面形状 | スイートスポット拡大 | 芯を外しても安定するが微差 | 
| 振動吸収構造 | 肘や手首の負担軽減 | 長時間プレーする競技者 | 
| 空気抵抗カット | 振り抜きやすさ向上 | サーブ・ボレー主体の選手 | 
ジュニア初中級レベルでは、この差を体感するのは難しく、
むしろ「慣れた旧作」のほうが安定して打てるケースが圧倒的に多いです。
上級者になれば少しの違いでもショットに変化があると思いますが、ジュニア初中級ではまずは、しっかりとショットが打てるようになるまでは、そこまで新作にこだわらないでも良いかと思います。
💰2. 旧作の最大の強みは「コスパと実用性のバランス」
ジュニアは1年で体格・筋力・プレースタイルがどんどん変わります。
そのため、2〜3年ごとに買い替えが必要。
毎回3万円近い新作を選ぶと、家計にも大きな負担がかかります。
💡旧作のコスパ比較例(2025年時点)
| モデル | 発売年 | 定価 | セール価格 | 差額 | 
|---|---|---|---|---|
| YONEX EZONE 26(2024) | 現行 | 約17,000円 | – | – | 
| YONEX EZONE 26(2022) | 旧作 | 約15,000円 | 約11,000円 | 約6,000円お得 | 
| Babolat PURE DRIVE JR(2023) | 現行 | 約18,000円 | – | – | 
| 同モデル(2021旧作) | 旧作 | 約13,000円 | 約9,800円 | 約8,000円お得 | 
2年落ちでも、構造や性能はほとんど変わらず。
半額近くの価格で、十分な性能が得られるのが旧作最大の魅力です。
私の子どもの現在、小学4年生ですが身長が145cmほどあるので、27インチのラケットを使っています。ある程度練習量が増えてくるとガットが切れたり、張り替えたりとラケットも2本以上必要になってきます。
新作のたびに3万円近くのラケットを2本用意するのは大変大きな負担になると思います。
我が家では、最近長男のラケットを地元のラケットショップで2本購入しました。
ちなみに購入したのは「ダンロップFX500LS」です。
このシリーズは11月9日に新作のモデルが登場する予定となっております。しかし、
試打で旧作を打ってみた感じとてもに合っていたので、購入することにしました。
しかも、新作がでる直前だったので1本2万円ほどで購入することができたので大変満足です。
性能にそこまでこだわらなくても良い時期では、新作が出る直前も購入するタイミングでもよいかもしれませんね。
🎯3. ジュニアにとって「扱いやすい」ラケットとは?
小中学生のラケット選びで一番大事なのは、
「性能の高さ」ではなく「扱いやすさ」と「フィーリングの合致」です。
💡旧作が扱いやすい理由
- フレームが柔らかめで球持ちが良い
→ コントロールしやすく、力がなくても飛ばしやすい。 - 反発がマイルドで暴発しにくい
→ ジュニアのスイングスピードでも安定した打球。 - スイングリズムが崩れにくい
→ 新作より重心が安定しているモデルも多く、安心感がある。 
特に成長途中の子は、
「軽くて飛ぶ」よりも「しっかり当たる」感覚を身につけるほうが大切です。
🧩4. 成長段階別:ラケットの選び方と買い替え目安
| 学年・年齢 | 推奨ラケットサイズ | 備考 | 
|---|---|---|
| 小1〜小3 | 23〜25インチ | 軽量・柔らかめを優先 | 
| 小4〜小6 | 25〜26インチ | 操作性とパワーの両立 | 
| 中1〜中3 | 26〜27インチ | フルサイズ移行の準備期 | 
| 高校以降 | 27インチ(大人用) | スペック重視に切り替え | 
このように、成長とともに段階的にサイズアップしていくのが基本です。
特に小学生のうちは、フォームの安定やスイング習得を優先するため、
ラケットの「軽さ」「扱いやすさ」「感覚の慣れ」を重視しましょう。
私の長男は小学4年生ですが、身長が高くイエローボールで練習、試合に出ているので27インチのラケットを使用しています。
👇こちらの記事も参考にしてみてください

⚖️5. 新作と旧作を実際に比べたときの違い(現場の声)
🎾ケース1:YONEX EZONE 26(2022 vs 2024)
- 打感:新作の方がやや柔らかいが、飛距離はほぼ同じ。
 - フレーム:新作の方がやや薄く、軽いが体感差は小さい。
 - 結論:違いを感じ取れるのは上級ジュニア以上。
 
🎾ケース2:Babolat PURE DRIVE JR(2021 vs 2023)
- 新作はボールが弾きやすい反面、打感が硬め。
 - 小学生には旧作の方が安心感がある。
 - 結論:旧作の方がミスが少なく、扱いやすい。
 
人によって感じ方は違うかと思いますが、いろんなラケットを試し打ちをしてコーチにどのラケットが合っているかや親がテニス経験者であれば親に見てもらうの一つかと思います。
💬6. 旧作を選ぶときのコツ
✅① 同シリーズで選ぶ
シリーズが同じなら、打感やスイング感覚が似ています。
例)EZONE → EZONE、VCORE → VCOREなど。
→ 「前のモデルから違和感なく移行できる」
✅② 旧作の在庫を早めに確保
人気シリーズは1年以内に完売することが多いです。
ショップでは「前モデルセール」や「在庫処分特価」を狙うのがコツ。
また、先ほども述べたように新作が出る直前もセールになるのでおすすめです。
✅③ 中古を活用する場合は状態をチェック
中古品を購入する際は、
- フレームのひび・塗装剥がれ
 - グリップの劣化
 - ガットの有無
を確認。
できれば**中古専門店(テニスパラダイス・ラフィノ中古館など)**の利用を推奨します。 
💡7. ジュニアにありがちな“買い替え失敗パターン”
❌「人気選手モデルだから」
憧れのプロと同じモデルを選びたくなる気持ちは分かりますが、
プロ仕様は重く・硬く・反発が強すぎることも多いです。
→ 子どもの筋力やスイングでは扱いづらいことがあります。
小さい子供が300gのラケットを使って打つのは現実的ではないと思います。
以前、長男(小4)に私のファントムグラファイトを使わせてみたのですが、重くて振れないと
言っていました。また、そのような思いラケットを使用しているとケガの原因にもなるので適切な重量で負担の少ないラケットを選ぶことが大切です。
❌「ショップで“新しいほうがいいですよ”と言われた」
販売店では新作を推したい事情もあります。
実際には、ジュニア向けでは旧作の方が合うことが多いです。
❌「軽すぎるモデルを選んでしまう」
軽量すぎるとスイングが速くなりすぎてコントロールが乱れやすく、
「打ち負ける」「手首を痛める」原因にもなります。
実際に、長男の27インチで最初に買ったラケットがまさにその通りでした。
バボラエボドライブの255gだったのですが、やはり軽いせいかしっかり打っていても打ち負ける印象でした。
📆8. 買い替えのベストタイミングとは?
次のような状態が見られたら、買い替えのサインです👇
✅ ラケットのフレームが歪んでいる
✅ 打球時に変な振動が出る
✅ ガットを張り替えても飛ばない
✅ 子どもの身長・筋力が大きく伸びた
✅ 27インチ移行を検討中
特に小学6年〜中1は成長の変化が大きく、
「26インチ→27インチ」へのステップアップ時期です。
このタイミングでは、旧作の27インチを選ぶのが最もコスパが良く、慣れやすい選択です。
💬9. 旧作で十分+ガットで差をつけよう
上達に大きく影響するのは、ラケットよりもガット選びと張りの状態です。
- ガットが1年以上張りっぱなし
 - テンションが緩みすぎている
こうした状態では、どんなラケットでも性能が出ません。 
旧作ラケットでも、
👉 ガットを3〜4か月ごとに張り替えるだけで打球感が蘇ります。
ガットの種類を変えるだけでも「新作に替えたような打ちやすさ」を感じることがあります。
ガットもいろんな種類がありますので、ショップの店員さんに子供のプレースタイルなどをお伝えし、おすすめのガットを提案してもらうのも一つですね。私もテニスは長い期間やっていますがガットの種類が多すぎてついていけません。
🏁10. まとめ:ジュニア期は「ラケットの新しさ」より「使いこなし」
結論として、
💬 ジュニアのうちは旧作で十分。
重要なのは「扱いやすさ」「慣れ」「フォームの安定」です。
旧作ラケットは、
- 柔らかくて打ちやすい
 - コスパが高い
 - 成長に合わせて段階的に買い替えやすい
という三拍子がそろっています。 
もし余裕があるなら、新作にこだわるよりも、
✅ ガット張り替えの頻度を上げる
✅ 練習回数を増やす
✅ ボールやシューズに投資する
こうした方が、はるかに上達につながります。
🧭11. 保護者へのアドバイスまとめ
| 判断ポイント | 旧作で十分なケース | 新作を検討しても良いケース | 
|---|---|---|
| 練習頻度 | 週1〜2回 | 週4回以上 | 
| 技術レベル | 初中級 | 上級・大会常連 | 
| 成長段階 | サイズ変更あり | 身長・筋力が安定 | 
| ラケット状態 | 問題なし | フレーム破損・変形 | 
| 子どもの反応 | 現状満足 | 打感に不満あり | 
要約すると、練習頻度が少なく初中級のジュニアの子は旧作、上級者で大会にもたくさん出場し上位に入るような子は新作を検討してもよいのではないでしょうか。
以上のことを参考にしていただいて、ラケットを購入する際のヒントとなればと思います。
  
  
  
  

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